治療の効果
治療成績について

長期不変・・・がんとの共生状態を得る。
免疫細胞療法実施後は、がんが小さくならないけれども大きくもならない状態(長期不変)が長期間維持されることがありますが、このような「がんとの共生状態」を得ることもこの療法のひとつの目的となるため、こういった症例も有効例に含めています。免疫細胞療法では抗がん剤のような強い副作用はほとんどありませんので、この「長期不変」は、治療期間内の患者さまの生活の質まで加味して評価すれば、治療開始から6ヶ月以上にわたり腫瘍面積の増大を抑えたケース(完全寛解)や、治療後腫瘍の面積が半分以下になったケース(部分寛解)と同等の治療効果とみなして良いと考えます。

生活の質が高まることが期待されます。
対象となっている患者さまの中には、がんが非常に進行した状態で、他の医療機関でもう治療法がないと言われてから免疫細胞療法を受けた方々が大勢含まれています。まだまだ満足すべき成績とは言えませんが、セカンドライン抗がん剤治療(最初に投与した抗がん剤が効かなくなった患者さまに対し、薬を代えて再び抗がん剤治療を行うこと)の治療成績と比較してみると、抗がん剤治療よりも決して悪い成績でないばかりか、むしろ優れた成績であると思われます。その上、抗がん剤の場合は残念ながら副作用で生活の質が低下するケースもありますが、それに対し、免疫細胞療法の場合は生活の質が低下しないばかりかむしろ高まることが期待されます。この点は治療効果の評価に加えていませんが、もしこの点を考慮するならば、免疫細胞療法の優位性がもっと著しくなることは明らかでしょう。

他の治療法との組み合わせで治療成績が向上します。
免疫細胞療法は、ほかの治療法と組み合わせて行った場合、治療効果がさらに向上することが報告されています。たとえば、下図−1のグラフは、肺がん手術後の免疫細胞療法の効果について検証した無作為比較試験の臨床結果の報告です。免疫細胞療法を併用した82人は、5年後も半数以上(54.4%)が生存しているのに対し、併用しなかった88人では1/3程度(33.4%)しか生存せず、生存率に大きな差が認められます。この結果は、免疫細胞療法によりもたらされた、再発・転移および進行の抑制効果によるものと考えられます。
今後は、免疫細胞療法の治療開始時期の最適化についての研究も進み、治療効果のさらなる向上が期待されます。

免疫細胞療法を併用することによる肺がん手術後再発・転移および進行抑制効果

治療成績の向上にむけて
免疫細胞療法を広く普及医療として発展させていくためには、一般社会および医療界から十分な認知を得ることが重要です。そのためには治療の効果を詳細に調べることを目的とした臨床試験を行うことも必要になります。
当センターは、金沢大学と密接に連携した研究機関の1つでもあり、臨床試験を進めてまいります。





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